小大黒屋では皆様に安心してお使いいただけるために、弊社和ろうそくの原料・製造工程や、特徴、使用上のご注意など、詳細に公開してお伝えして参ります。
目次
弊社の和ろうそくは、蝋の原料が植物性で芯が中空で和紙、イグサ、綿などを 使って作られた昔ながらの伝統製法のものを扱っております。(重油から精製されたパラフィンワックスを使った糸芯のろうそくについては、西洋ろうそくと呼んで区別しています)
ろうそくは、和ろうそく、洋ろうそくを問わず油煙が出ます。
洋ろうそくの場合、発生する油煙、煤は石油系のものです。
油煙が煤となって金箔仏壇の金箔につくと、パラフィンを原料とする洋ろうそくは、ドロドロしたような煤で金箔をいためやすいといわれています。
和ろうそくの場合、植物性の原料を使用しており、燃焼に伴い発生する油煙や煤も植物性のもので油煙も少ないです。煤もさらっとしていて、 洋ろうそくの煤と比べて金箔をいためにくいといわれています。
そのため、金箔仏壇の場合は20〜30年に一度、佛壇洗いといってお仏壇の金箔の貼りなおしをしますが、和ろうそくを使っていた仏壇の方が、 ろうそくの使用頻度にもよりますが、金箔の寿命が5年から10年は長持ちするといわれています。 お仏壇屋さんによってはお客様に使い方や掃除の説明をなさるときに、必ず洋ろうそくではなく和ろうそくを使って下さいと説明されるところもあるようです。
和ろうそくと洋ろうそくでは洋ろうそくのほうが価格は高いですが お仏壇洗いの費用を考えると長い目で見ると和ろうそくを使ったほうが経済的ともいえます。
和ろうそくは芯が中空で空気が絶えずろうそくのお尻から供給されるので炎が消えにくく、また風がなくても炎の形がたえず変わって荘厳な雰囲気をかもし出すのが特徴です。
また炎の赤い部分は大体800度前後といわれており、夕焼けの色と同じくらいの赤さ、明るさです。
ライトテラピーという言葉もあるとおり、 原始の太古から炎は人間の根源の部分に触れる何かがあるのではないでしょうか?
和ろうそくの蝋は植物性の原料です。
その原料もさまざまで、ハゼの木の実の外殻を絞って採ったハゼ蝋、米ぬかから採ったぬか蝋、 動物の脂から作った蝋、ミツバチの巣から採った蜜蝋、など色々あります。
日本では古来からウルシ科の櫨(はぜ)という木の実がこのろうそくの原料に適しており、主に和ろうそくの原料として使われていました。
しかし現在は櫨の流通量が激減しており、国内産の木蝋(もくろう)が手に入りにくくなっています。
国内産の櫨ロウに変わるものとして、中国産の櫨ロウがありましたが、中国の櫨から作ったロウでは燃焼がうまくいかず、ロウが垂れてしまうろうそくしかできませんでした。
良質で安価な櫨を求めて探し回った結果、当社では東南アジア原産の化学組成式のよく似た植物性の原料を国内で精製した蝋を主に使用しています。
この蝋は東南アジア原産の植物性の原料で、櫨科の植物の木の実の外殻から同じように圧搾して国内で精製した蝋です。木蝋によくにた化学組成式をしており、木蝋と同じような燃焼をして蝋の融点もよく似ています。
これらのことから、小大黒屋では良質でお求め安い和ろうそくを安定してご提供できるようになりました。
(国内産の最高級の櫨の実にこだわった純木蝋製和ろうそくも製造しています。)
当社の和ろうそくは北陸地域に根ざした和ろうそくの製造手法で堅掛け(型掛け)と呼ばれる手法で製造しています。
江戸時代はすべてが手がけで、和ろうそくは高級品とされていました。
北陸は浄土真宗の信仰の厚い地で、お坊様が国を治めていたこともあるくらいですので、信仰心が厚く朝夕のお仏壇へのお参りは当たり前です。
そのため大量に使う和ろうそくへの需要が大きく、木型を使った型掛けに昭和初期に転換し、日用品として流通されるようになったのです。
北陸では和ろうそくはいまでもスーパーやホームセンターでも当たり前に売られており、生活に切っても切れない生活必需品として息づいています。
木の棒に紙を巻いてその上にイグサを巻きさらに綿を巻く
※当社の和ろうそくはろうそくの尻尾まで芯が入っており最後まで燃えます。
その芯を蝋につけて十分蝋を吸わせて芯を固める
木型に芯を入れ蝋を流し込む
蝋が固まった後型からはずし整形してさらにもう一回上掛けを掛けるものもあります。
木型の製作には当社は2〜3年の製作期間がかかる、かなり手間と時間と工夫の要るものです。各ろうそくメーカー独特のノウハウがあり、当社もこの木型を大切にしています。
検品、袋詰めして梱包します。検品が一番大事です。
当社の和ろうそくにはイカリ型と棒型の2種類があります。
イカリ型は水仙の花のように上径に伸びるにしたがって沿ってラッパのようにツバが広がったような形のろうそくです。
棒型はテーパー状に直線の形をして上径のほうが少しだけ大きい和ろうそくです。
伝統的にサイズの大きい11cm以上の寺院の祭事にお使いになるろうそくでは、 浄土真宗系ではイカリ型、禅宗系では棒型をお使いになられることが多いです。
(お客さまの傾向であり、特に決め事はなく、必ずしもそうでなければいけないというものではありません。)
ちなみに当社がご用達をいただいています曹洞宗大本山永平寺様には棒型の和ろうそくを、浄土真宗の寺院様のほとんどはイカリ型和ろうそくを納めさせていただいております。
和ろうそくの大きさの号数表記は各ろうそくメーカー独自のものでJIS規格のような業界統一規格のようなものがありません。
そのため、当社で販売しています燭台は、当社の和ろうそくの一致するサイズを表記するようにさせていただいております。
小大黒屋の和ろうそくのサイズ規格表
【大きい和ろうそく】は、こちらからどうぞ→大きい和ろうそく
【小さい和ろうそく】は、こちらからどうぞ→小さい和ろうそく
【特大和ろうそく】は、こちらからどうぞ→特大和ろうそく
和ろうそくが燭台にしっかり刺さらないで傾いたり、ぐらつくといった状態は、燭台の芯と和ろうそくの芯穴が一致していないことが原因です。不安定なまま使用すると、流蝋(蝋がたれて流れ出してしまうこと)の恐れがあります。
お手持ちの燭台にあわせる場合は、無理に和ろうそくを押し込むと、芯が太い場合和ろうそくが割れてしまう場合がございます。
その場合は芯をライターなどで熱してから和ろうそくを差し込むと、和ろうそくの芯の穴が少し広がり、うまく刺さる場合があります。
また燭台の芯が細すぎる場合は、芯の周りに綿や紙粘土などを巻いて、和ろうそくの芯に合う太さに調節して、和がたつきや傾きを修正してお使いになることも一計です。
※ご注意:この欄でご紹介した方法はあくまでも使い方の一案であり、使用にかかる不具合、事故等は責任を負いかねますので、ご自身で安全に燭台にあった和ろうそくをお使いください。
当社で販売しています燭台には、当社の和ろうそくの一致するサイズを表記するようにさせていただいております。
燭台はこちらからどうぞ→燭台
蝋が垂れてしまった場合は、こちらをどうぞ→蝋取りスプレー
弊社和ろうそくの特徴は植物性原料を使用し、芯が和紙で中空になっています。
和ろうそくは炎が燃え進むと和ろうそくの芯が「炭化」して黒くなったままそのまま残ります。
そのため蝋だけなくなり和ろうそくが短くなってきても芯は最初の長さのままです。
そうすると炎が段々大きくなってきます。
そのため安全に和ろうそくをお使いいただくために芯切という作業が必要になります。
芯切とは燃え進んで炭化して残った芯を、芯切バサミや芯摘み(シュガートングの大きいもののようなものと思ってください。)や火箸で燃えている芯をつまんで芯の長さを短くして炎の大きさを調整する作業です。
芯切りハサミはこちら→芯切りハサミ
芯つまみはこちら→芯つまみ
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